ビタミン不足にはサプリメントよりポリフェノール

ビタミン不足を補うにはサプリメントより、ポリフェノールの方が効率的なのかも知れません。

たとえダイエットで食事制限を行ったとしても、サプリメントで栄養を補えばいいのでは?と思われる方が一般的だと思います。

確かにサプリメントは非常に便利なものです。一日の所要量から足りない栄養素を計算して、サプリメントに記載の用量を摂取するだけで済むからです。

それならば1日3食のところを2食に減らし、マルチビタミンを飲めばビタミン不足に陥ることはないとさえ思えてきます。

しかし、これは必ずともそうだとはいえないのです。

特定の栄養素のみを取り出して濃縮させたサプリメントの成分が体に効率的に吸収されるのかという疑問と、ポリフェノールといった食品由来の成分が栄養素の吸収に寄与しているのではないかという可能性が捨てきれないのです。

ビタミンCを含まないりんごがサプリメントと同じ作用

サプリメントによるビタミンCの吸収率とポリフェノールの作用に関して、興味深い記事を見付けました。まず、果物のりんごにはビタミンCがほとんど含まれていません(100g当たり4mg)。

独立行政法人・農業・生物系特定産業技術研究機構・果樹研究所によると、1日1.5~2個(360~480g)のりんごを3週間毎日食べると血液中のビタミンCが摂取前より34%増え、摂取を中止するとまた減少するというのです。

また、国立がんセンターで5年間行った調査によれば、サプリメントでビタミンCを1日50mg摂取した場合の血液中のビタミンCの増加量は平均で13.0%で、500mg摂取したグループでも増加量は38.5%とのことです。

ビタミンCの増加はりんごのポリフェノールによる効果

りんごのポリフェノールが血液中のビタミンCの濃度を増加させたようです。

りんごにはビタミンCがほとんど含まれていないにもかかわらず、摂取することで血液中のビタミンCの濃度を上昇させるのです。

従ってビタミンCを補給するのなら、サプリメントで摂取するよりもりんごを毎日2個食べた方が効率的であるということがいえます。

上記の例ではりんごのポリフェノールによる効果を示しているのですが、もちろんポリフェノールはりんごにしか含まれていないわけではありません。

健康によいといわれている食品には、たいていポリフェノールが含まれているものです。

サプリメントではビタミンを補えない

これはまさに、サプリメントではビタミンを補えないという事実を示していると同時に、伝統的な食事がいかに大切であるかということを物語っています。

洋食料理や食事抜きにサプリメントを加える食生活を行うよりも、伝統的な和食をバランスよく摂取する食生活を行っていく方が健康維持に寄与するのです。

ところで玄米にはビタミンEの一種であるトコトリエノールという物質が含まれていますが、これは一般的なサプリメントにビタミンEとして配合されている、トコフェロールよりも優れた抗酸化作用を持つことが最近確認されました。

このことからもわかるように、ビタミンはただ単にビタミンとして考えるだけでは不十分なのです。