緑茶のカテキンはがん予防に有効?

緑茶のカテキンはがん予防に効果的であるといわれています。緑茶の産地である静岡県中川根町の男性の胃がんによる死亡率は、全国平均の5分の1であるそうです。

今まで緑茶とがんに関する様々な研究が行われ、緑茶に含まれるカテキンの成分が、がんの予防に有効であるという多くの結果がでています。

1日に緑茶を10杯以上飲むとがんや心臓病の危険を減少させるといわれています。ただし真偽は明らかではありませんが、緑茶ががんの発生を促すという報告もあるようです。

カテキンのEGCGにがん予防の効果

カテキンのEGCGに、がんを予防する作用があるといわれています。

緑茶にはポリフェノールの一種であるカテキンが含まれていますが、そのカテキンの一種であるEGCGに、がんの予防に効果があることが多くの実験により証明されています。

また、胃がんの細胞を破壊して死滅させるという実験結果もあるようです。緑茶のカテキンのこのような作用は、カテキンのEGCGによる抗酸化作用のためであると考えられています。

カテキンはウーロン茶や紅茶よりも、緑茶に多く含まれています。また、玉露やせん茶よりも番茶に多いことでも知られています。

EGCGはエピガロカテキンガレートと呼ばれる成分で、緑茶の主要な4種類のカテキン類のうちの1つに数えられます。ウーロン茶や紅茶とは違い、緑茶はEGCGを豊富に含みます。EGCGは緑茶の渋味や苦味の原因ともなる成分です。

カテキンはビタミンAと併用して摂取することで、抗がん作用が増加するようです。

これを簡単に解説すれば、がん細胞とカテキン(EGCG)の関係は鍵穴と鍵のような関係に例えられます。ビタミンAを摂取することでがん細胞の鍵穴が増加し、がん細胞の鍵穴が増加した状態では鍵であるカテキン(EGCG)がより多くがん細胞に取り込まれます。

がん細胞の増殖に対する抑制作用はがん細胞に取り込ませるカテキン(EGCG)量に比例するため、ビタミンAがカテキンの抗がん作用を増加させるというわけです。「カテキンについて

お茶で発がん促進との報告も・・

緑茶はがん予防に有効であるという報告がある一方で、お茶を飲むことで発がんを促進したとする別の報告もあります。

ただ、がんの発生は飲酒や喫煙、生活習慣など様々な条件が重なり合うことで危険性が増減するため、一律にお茶のみで発がんを促進したとは言い切れない側面もあります。喫煙習慣のない人では緑茶を飲むことで、食道がんの危険性が約60%低下するという報告もあります。

統計を取る場合は取り方や条件などによって結果が微妙に変化することも考えられますので、緑茶に抗がん作用があるのか反対にがんを進行させる作用があるのか真偽のほどは明らかではありません。

その一方で科学的な研究レベルでは、カテキンの抗がん作用に対する様々な報告がされていることも確かです。