動脈硬化や認知症には大豆のレシチン

動脈硬化や認知症の予防には大豆のレシチンが効果的です。レシチンは細胞膜を形成する成分で、肝臓や脳神経、血液などの代謝に関与し、脂質代謝を活発にする働きがあります。

そもそもレシチンは私たちの脳や脊髄、皮膚、肝臓、心臓などといった部位に幅広く分布している成分です。何かを考える時に活動する脳の主要な構成成分であるとともに、体内の臓器を含めたいたるところに存在する成分でもあります。

脳の主要な構成成分ということは、記憶のしくみや認知症に深く関わる成分であるといえます。またレシチンは細胞の活動には必須の成分で、血液中のコレステロールや動脈硬化との関係では注目されています。

レシチンには動脈硬化や高血圧の原因になる血中コレステロールや中性脂肪を低下させる作用があります。レシチンに含まれるコリンとイノシトールがともに作用することで、余分な脂肪が血管の内壁や体内に蓄積されるのを防ぎます。

レシチンが動脈硬化を予防するしくみ

動脈硬化の1つの原因は、血液中に流れるコレステロールなどの脂肪が血管に沈着することです。通常では脂肪と血液(水性)が溶け合うことはできませんが、レシチンが加わることでそれを可能にします。

レシチンの作用によって脂肪が血液中に溶け合うことで、コレステロールなどの脂肪が代謝されることを可能にします。このことによって血管中の余分な脂肪が減少し、血管にそれらが沈着する可能性も減少します。

レシチンが体内の脂肪を排出させるということは、動脈硬化とともに脂肪肝にも有効な対策となります。そのためお酒を飲むことで脂肪肝の可能性が高まる時には、大豆製品をおつまみに加えて予防することが必要でしょう。

認知症もレシチンで予防

認知症の予防にもレシチンは効果を発揮します。愛する家族が認知症になってから介護を行うよりも、できるだけ認知症にならないように予防する観点も大切です。

レシチンは細胞膜や神経細胞に多く存在し、人の脳においては約30%がレシチンで構成されています。レシチンを補うことで認知症の予防や記憶力の向上が期待できます。

レシチンそれ自体は脳の情報伝達に関わる神経細胞を構成する成分であり、レシチンを構成するコリンは情報伝達を行う物質になります。

このようにレシチンは脳の活動には必須の成分なので、認知症が心配になってきた時や明晰な頭脳が必要な時には大豆でレシチンを補うとよいでしょう。