環状オリゴ糖の概要

ポリフェノールとヤーコンのオリゴ糖

環状オリゴ糖は別名がシクロデキストリンとも呼ばれ、ブドウ糖が6~8個環状につながったオリゴ糖です。

環状オリゴ糖は甘味料としては利用されず、品質の安定化や品質改善などの目的で利用されるオリゴ糖です。

環状オリゴ糖はコーヒーや香料などの揮発しやすい成分の安定化、ねりわさびなどの分解しやすい成分の安定化、粉末製品の吸湿性改善、飲料などの苦みや異臭の除去などに利用されています。

その他、環状オリゴ糖は医薬品や化粧品、繊維、塗料などの工業製品にも利用されます。

環状オリゴ糖の性質

環状オリゴ糖は澱粉を微生物の酵素によって分解することで生成します。安価に大量に製造できるため、その特徴を生かして幅広い分野で利用されています。

環状オリゴ糖には他のオリゴ糖に見られるような整腸作用はなく、水溶性化合物としての性質を利用して化粧品や食品の品質改善などに利用されています。

環状オリゴ糖はその名の通りブドウ糖が環状に連鎖した形で存在するオリゴ糖で、中心部分に穴の開いた(底の抜けたバケツのような)形をしています。

環状オリゴ糖の中心部に開いた穴は他の物質を取り込む作用があり、取り込まれた物質はその性質を変化させます。例えば不安定な物質が環状オリゴ糖に取り込まれて安定を増したり、水に溶けにくい物質が取り込まれると水に溶けやすくなったりします。

この環状オリゴ糖による他の物質の性質を変化させる特徴を利用して、食品や医薬品、化粧品などの幅広い分野で品質改善に利用されています。

環状オリゴ糖の利用例

環状オリゴ糖の利用例としては、まず揮発しやすい成分の安定化があります。例えば様々な食品に添加される香料は揮発されやすい性質を持つのですが、環状オリゴ糖を加えることで揮発させにくい安定した物質に変化させます。

また、酸素や紫外線などで変化しやすい性質を改善するためにも利用されます。これは練りわさびやおろし生姜などが当てはまるのですが、環状オリゴ糖を加えることで酸素や紫外線に強くなります。

あるいは苦味を持つ成分を環状オリゴ糖で包み込んで改善する他、アイスクリームの乳化性の改善にも利用されます。