オリゴ糖と腸内の細菌

ポリフェノールとヤーコンのオリゴ糖

オリゴ糖を摂取することで、腸内の細菌群の構成は様変わりします。悪玉菌の多い環境から善玉菌の多い環境へと移行するのです。

私たちのお腹には100種類以上の細菌が棲んでいます。

その細菌群には大腸菌やウェルシュ菌、ブドウ球菌などの悪玉菌もいますし、ビフィズス菌のような善玉菌もいます。それらの細菌の数の合計は、なんと100兆個にもなるのです。

当然、便の中にはこれらの細菌がかなりの量含まれていることになります。

便の固形物の3分の1は実に腸内細菌の死骸だと言われています。そして、便の中に悪玉菌が多く含まれていれば、便の色はそれに比例して黒くなっていきます。

オリゴ糖がビフィズス菌を増やす

オリゴ糖には腸内のビフィズス菌を増やす役割があります。ビフィズス菌が増えれば腸内の細菌群は悪玉菌が減ることで様変わりし、便の色やにおいも変化するというわけです。

一番健康的な便の色は、母乳を飲んでいる赤ちゃんの便の色です。

母乳の中には天然のオリゴ糖が含まれていますので、母乳を飲んでいる赤ちゃんの腸内は大半がビフィズス菌で占められていています。当然、下痢も少なく健康そのものです。(人工ミルクを飲んでいる赤ちゃんはこの限りではありません)

母乳を飲んでいる赤ちゃんの例からわかるように、腸や便の健康はオリゴ糖を摂取して、腸内の善玉菌の数を増やすことによって改善することができます。

腸内の悪玉菌の数が少なく善玉菌の数が多いほど免疫力が高まり、アレルギーやがんなどの病気も発生しにくいという研究結果もあります。

母乳のオリゴ糖が免疫力の代わり

母乳のオリゴ糖は、天然の免疫力としても機能しています。母乳は赤ちゃんが健康に生きるためには不可欠な役割を担っているのです。

生まれたての赤ちゃんにはまだ免疫力が備わっていないのですが、母乳に含まれている天然のオリゴ糖で腸内のビフィズス菌の量を自然と増やして、体を病気から守るようにできているのです。

もし母乳の中にオリゴ糖が存在していないとすればどうなるのでしょうか。

免疫力がまだ備わっていない赤ちゃんでは、外部から進入する細菌に対して全く抵抗力がありません。大人であれば何ら問題のない細菌であっても、赤ちゃんだと容易に感染してしまいます。

母乳が存在することにより、私たちは免疫力を生まれたばかりの時から獲得していたのです。私たちの想像をはるかに超えた生命の不思議の部分ですね。