ヤーコンは血糖値を下げる

ポリフェノールとヤーコンのオリゴ糖

ヤーコンには血糖値を下げる作用を期待できます。ヤーコンが含む水溶性食物繊維とフラクトオリゴ糖には、血糖値の急上昇を抑制する作用が期待できるためです。

ヤーコンの食物繊維の80%は、水溶性食物繊維で構成されています。天然オリゴ糖(フラクトオリゴ糖)の含有量も、全食品で最も多いのです。

水溶性食物繊維には水分を吸収してゼリー状になる性質がありますが、このような性質は一緒に食べたものをゆっくりと消化吸収させることにつながります。

ヤーコンに含まれるポリフェノールにも、血糖値を下げる作用が期待できます。

ヤーコンのポリフェノールは主にクロロゲン酸で構成されていますが、クロロゲン酸には血糖値を下げる作用があるからです。

すなわちヤーコンには血糖値を抑制する成分が、同時に複数存在することになります。水溶性食物繊維とフラクトオリゴ糖、そしてクロロゲン酸の全てがそれぞれ血糖値の抑制に作用するわけです。

これらにヤーコン茶の成分(インシュリン様物質)「ヤーコン茶で血糖値を下げる」を加えれば、天然食品による安心できる血糖値の抑制を効果的に行えます。ただし糖尿病治療薬ではないため、副作用もないかわりに作用も緩やかなはずです。

水溶性食物繊維の血糖値抑制作用

水溶性食物繊維が血糖値を抑制するしくみです。

水溶性食物繊維が体内でゼリー状になると、一緒に食べた食品が含む糖質(炭水化物)を包み込んでその吸収速度をゆるやかにします。その結果的として、血糖値の急激な上昇を抑えます。

炭水化物や糖質が消化吸収される速度と、血糖値が上昇する速度には比例の関係があるからです。従って水溶性食物繊維のこの性質は、食事を行う時に有効に作用するのです。

血糖値の抑制効果を期待して水溶性食物繊維を活用するのであれば、炭水化物を摂取する少し前にあらかじめ水溶性食物繊維を摂取しておくと効果的です。

水溶性食物繊維の摂取前に炭水化物を摂取してしまうと、炭水化物が先に腸で吸収されて血糖値が上昇した後で、水溶性食物繊維が単独で無意味に消化器官や腸内を通過することになります。

従って水溶性食物繊維は食事を行う直前か、他の食品を摂取する時に一緒に摂取する必要があります。

フラクトオリゴ糖にも、水溶性食物繊維と同様の作用を期待できます。

難消化性オリゴ糖であるフラクトオリゴ糖には水溶性食物繊維と同様に、大腸まで消化吸収されずに到達する性質と水分を吸収する性質があるからです。

すなわちフラクトオリゴ糖が大腸に達するまでは、水溶性食物繊維と同様に糖質を包み込んで血糖値の上昇速度を緩やかにする作用を期待できるということを意味します。

作用のしくみが同じである分、摂取する際の注意点も水溶性食物繊維と同様です。フラクトオリゴ糖が水溶性食物繊維と異なる点は、大腸に達した後に整腸作用を発揮することです。

クロロゲン酸が血糖値を下げるしくみ

クロロゲン酸には血糖値を下げる作用の存在が指摘されているのですが、これはクロロゲン酸の摂取が肝臓内のマグネシウム濃度を高めるからではないかといわれています。

クロロゲン酸はポリフェノールの一種です。ポリフェノールといえば、赤ワインの抗酸化作用で有名になったアントシアニンもその一種です。

クロロゲン酸は活性酸素を抑制する抗酸化作用とともに抗変異原性(がんの発生段階を抑制する性質)でも知られる成分ですが、血糖値の安定化を促す作用でも注目されています。「ヤーコンのポリフェノールが生活習慣病の予防に

クロロゲン酸はその他にも、美白作用で知られています。

クロロゲン酸にはチロシナーゼ阻害活性という性質があります。チロシナーゼとは肌を構成するアミノ酸の一種であるチロシンを酸化させてメラニンを発生させる酵素のことで、チロシナーゼ阻害活性とはメラニンの合成を阻害する性質です。

クロロゲン酸のチロシナーゼ阻害活性の性質は比較的強いため、美肌成分の一部としてよく配合されています。クロロゲン酸は多機能なポリフェノールなのです。