日本人は体脂肪の燃焼に不利な人種?

体脂肪が燃焼されるのは生活活動や運動による消費カロリーの部分、基礎代謝によるエネルギー代謝の部分、褐色脂肪細胞が体温維持のために消費するカロリーの部分など様々あります。

ところが褐色脂肪細胞に焦点を当ててみると、褐色脂肪細胞に関する遺伝子に異変(エネルギー倹約遺伝子)を持つ日本人は多く存在します。

例えば褐色脂肪細胞が熱生産を行うときに必要なUCP1(脱共役蛋白質)の遺伝子に異変を持って生まれてくる割合は欧米人の数%に比較して、日本人では約20%と全体の約2割(5人に1人)にも及ぶといわれています。

欧米人は体脂肪が燃焼しやすい

欧米人は体脂肪を燃焼させやすい遺伝子を持つようです。

例えば「朝の和食が体脂肪を減らす?(体脂肪率を減らす食事方法)」で紹介している「平成16年度 ごはん食基礎データ蓄積事業研究報告書」によると、UCP1の遺伝子に異変を持って生まれるポーランド人は14.7%、フランス人は7.2-9.1%、デンマーク人は6.8%、フィンランド人は1.0-5.0%、ドイツ人は7.6%、オーストラリア人は5.5-5.9%であるそうです。

概ね日本人の約2割と比べて、少ない割合です。

体脂肪の燃焼に不利なら食事方法で

熱生産による体脂肪の燃焼には欧米人と比べて不利な体質を持つ日本人ですが、幸い我々日本人は和食中心の食文化を持つ点では欧米人よりも有利です。

例えば日本人は魚料理を多用する、和食の食文化を持ちます。

体脂肪は魚料理で減らす(料理レシピの紹介)」でも述べていますが、赤身や青身の魚にはヒスチジンという体脂肪の減少に有利な成分が含まれています。

また、最近は欧米でも肥満の抑制効果から和食が注目されてきていますが、大豆に含まれるイソフラボンにも体脂肪を減少させる作用があります。

(ただしサプリメントによる大豆イソフラボンの過剰摂取は健康への悪影響が指摘されていますので、安全が確認されている食品から摂取を行いましょう。)

また、豆類の食品の食物繊維による肥満抑制効果も無視できません。

食生活の欧米化が日本人の肥満と生活習慣病に与える影響が指摘されています。できるだけ和食を摂取するように食生活を改善した方が、肥満の改善にも生活習慣病の予防にも有利です。

何でもかんでも欧米化ではなく、よいところは取り入れて悪いところ取り入れないというような取捨選択が大切です。