生理の前には体重が増えるもの?

生理中には体重が大きく変化することがあります。ダイエットではその日その日の体重の変化に一喜一憂するものですが、女性の場合は少し複雑です。

生理の前後では月経前症候群により、体重が変化することがあります。

月経前症候群とは「生理の前の2週間以内に周期的に発症し、生理の開始後まもなく消失する精神的ならびに身体的症状」のことを指します。

月経前症候群の症状としては腰痛や下腹部の痛み、頭痛や肩こり、肌荒れやむくみ、無気力や気分の変化など様々です。

生理中のむくみの一因

生理中にむくみの症状が現れたら、月経前症候群を疑ってみる必要があるかもしれません。

月経前症候群の症状の1つには「体が水分を貯留する症状」による体重増加があります。この症状による体重の増加は1~4kg以上にもなります。

月経前症候群は心身症の一種です。心身症は体の構造上による理由から発症する症状ですが、その発症や経過に心理・社会的な要因が密接に関与しています。

つまり月経前症候群は女性に特有の「体の病気」なのですが、それにストレスが加わると発症しやすい、あるいは症状が悪化するということです。

ただし月経前症候群は心身症の中でも精神的な側面による原因が大きく、それゆえにストレスの解消や、楽しいことを考えるなど心理状態を安静・楽観的に保つことが有効な予防策になり得ます。

身体的な側面と心理的な側面の両方から予防するという観点から、運動を行うことや飲酒とたばこを控える、あるいはしっかりと休養を取るなどが大切です。

心をリラックスさせるためには、落ち着いた音楽を聴くことや森林浴なども効果的かもしれません。

あせるダイエットは失敗する

ダイエットにはタイミングがあるなどといわれることがありますが、生理前後には月経前症候群によっても、大幅に体重が変化する可能性があることも考慮する必要があります。

このような体重の変化はタイミングとは全く関係がなく、一時的なむくみ症状です。従って月経前症候群によるむくみの解消とともに、体重も元に戻ります。

ダイエットに大切なことはストレスを取り除いて心理状態を安静に保つこと、タイミングに左右されることなくコンスタントに正しい方法を続けることです。

体脂肪1kgは7200kcalありますので、よほどの大食いをしても、生理学的に1kgの体脂肪が1日で増加することは容易ではありません。

もしも1日にアイスクリームを3kgも食べてしまったとすれば、次の日には体重が1kg増えていることでしょう。

反対にむくみの症状による体重の変化は、一日で大幅に変化することもあり得ます。その日その日の体重の変化の原因は、たいていは体脂肪とは関係のない水分の増減によるものです。

あせってダイエットを行う過程でこの症状に気付かず断食を行い、結果としてリバウンドを招く体質になることは避けたいものです。