糖尿病を予防するには?

糖尿病を予防するには、肥満を解消することがとても重要です。肥満と一言でいっても、体重が重ければ重いほど糖尿病にかかる危険性は大きくなります。

従って、糖尿病の予防方法としては糖尿病の治療と同様に、食事療法と運動療法を行って少しでも肥満を解消することが重要になります。

糖尿病はただ単に、食事療法で肥満を解消しようとするだけでは防ぐことが難しいのです。そしてこのことは、食事制限のみでダイエットを成功させることが難しいとも言い換えることができます。

身長から導き出される標準体重よりも体重が重くなければ肥満ではないとはいい切れず、肥満の解消には運動が欠かせないからです。

標準体重でも内臓脂肪が増加することで、メタボリックシンドロームから動脈硬化を引き起こしやすい状態にもなります。

肥満と体脂肪率

肥満を定義するものは体脂肪率であり、体重ではありません。

たとえ標準体重の範囲内であっても、体脂肪率が肥満の基準(男性では体脂肪率が25%以上、女性では体脂肪率が30%以上)に当てはまれば肥満であるということになります。

これは隠れ肥満と呼ばれている状態で、運動量が極端に少なく食事制限のみでダイエットを行う場合に多い肥満の一形態です。「肥満の定義 - ダイエットのQ&A

糖尿病の予防には肥満を防ぐことが大切ですし、内臓脂肪を溜めないためにも運動が必要なのです。隠れ肥満の状態では基礎代謝も低下しているため、消費カロリーも少なく肥満の進行も容易になります。

慢性的な肥満の継続により、糖尿病にかかる危険性は高まります。なお平成9年に行われた糖尿病実態調査によれば、今までの肥満の経歴においての最大体重が重ければ重いほど、糖尿病にかかりやすいことが判明しています。

糖尿病と肥満

糖尿病と肥満には大きな関連性があります。厚生労働省の「糖尿病実態調査の概要(速報分) - 平成10年3月18日」によれば、

「糖尿病が強く疑われる人の52.7%、糖尿病の可能性を否定できない人の37.3%が、過去に肥満だったことがある」という結果となっています。

調査結果を見てみると、過去の肥満度が-10%未満、-10%~+10%、+10%~+20%、+20%~と上昇するにつれて、糖尿病が強く疑われる人、及び糖尿病の可能性を否定できない人の割合もそれぞれ上昇しています。

その反対に、現在の肥満度と糖尿病の疑いの度合いは、完全には一致していないようです。

「現在の肥満度と糖尿病の状況」では、肥満度が-10%~+10%以外ではそれぞれ肥満度の減少と糖尿病の減少が比例の関係にあるのですが、-10%~+10%の場合のみは例外となっています。

-10%~+10%においての糖尿病が強く疑われる人、及び糖尿病の可能性を否定できない人の割合が最も高くなっているのです。

このことから読み取れることは、たとえ現在が標準体重であっても糖尿病の危険性が減少するわけではなく、糖尿病の予防には体脂肪率の低下から隠れ肥満を解消する必要性があるといえそうです。